会社を決めるまでに通る段階
制作会社を選ぶ工程は、見積書が届いた日に始まるわけではありません。候補を挙げる段階があり、問い合わせて返信を受け取る段階があり、そのあとで見積書の中身を読む段階が来ます。さらに契約と支払いの条件を決める場面が続き、公開したあとには修正を頼む場面が残ります。金額を比べられるのは三つ目からで、その前と後ろにも、決めておいたほうがよいことが並んでいます。
この記事で扱うのは、依頼する側が契約の前後で判断できる範囲です。技術の優劣やデザインの好みのように、実際に作ってみないと分からない部分には踏み込みません。
| 場面 | その段階で確かめること |
|---|---|
| 候補を挙げる | 得意分野が、こちらの目的と重なっているか |
| 問い合わせる | 質問への答えが、分かる言葉で返ってくるか |
| 見積書を読む | 何にいくらかかるのかが、項目ごとに書かれているか |
| 条件を決める | 支払いの時期と着手金が、はっきりしているか |
| 公開したあと | 修正と保守が、どこまで含まれるか |
得意分野が重なるかどうかは、実績の並びから読み取る
デザインを強みにしている会社もあれば、システムの開発を軸にしている会社もあります。どちらが優れているという話ではなく、あなたが作りたいものと、相手が積み重ねてきたものが重なっているかどうかの問題なんです。
制作実績のページを開いて、自分の業種に近いもの、あるいは作りたい形に近いものが載っているかを見てください。載っていない場合でも候補から外す必要はありませんが、実績の並びからは、その会社がどの領域に時間をかけてきたかを読み取れます。
ここでの判断は、候補を並べる前にあります。こちらの目的を一文で言えるようにしてから実績を見るのと、実績を見てから目的を考えるのとでは、比べる軸を持てるかどうかが変わってきます。
問い合わせの返信に表れるもの
メールで一度やり取りをすると、金額の話に入る前に分かることがあります。専門用語をそのまま並べて返ってくるのか、意味を日常の言葉に開いてから説明してくれるのか。返信の速さと書き方は、そのまま公開後の対応の姿勢につながります。
返信が丁寧なだけで腕が良いと言えるのか。そう問われれば、言えません。ただ、伝わる言葉で説明できるということは、こちらの状況を理解したうえで返しているということですから、判断の材料としては使えます。
聞き方を一つ決めておくと、比べやすくなります。「公開後の修正は、どう対応してくれますか」。この質問への答え方には、その会社が公開後をどう考えているかが表れます。
見積書の内訳をどこまで開いてもらうか
「ホームページ制作一式◯◯円」とだけ書かれた見積書は、あとで認識のずれが起きやすいものです。この一行だけでは、何が含まれて何が含まれないのかを、双方が別々に想像したまま進むことになります。
| 見積書の書かれ方 | あとで起きること |
|---|---|
| 一式でまとめて記載 | 含まれる作業の範囲が、双方で違って読める |
| 項目ごとに記載 | 減らす相談も追加の相談も、その項目だけで話せる |
項目ごとに書かれていれば、予算に合わないときも「この部分を後回しにする」という調整ができます。一式のままだと、下げる相談が総額の値引きだけの話になりやすく、何を減らしたのかが手元に残りません。
なお、項目ごとの金額が妥当かどうかは、相場を先に知っておくと比べやすくなります。内訳の目安はホームページ制作の費用相場にまとめています。
支払いの条件を決める場面
制作が始まってから公開までの間に、支払いが何回あるのか。その回数と時期を、契約前に書面で受け取っておいてください。ID-TECHSの場合は初回着手金50%で進めています。着手金の有無そのものに良し悪しはなく、先に決まっていることのほうが大事なんですね。
金額の大小より、発生する時期が自分の資金繰りと合っているかどうかが、この段階の判断どころになります。
公開したあとの費用を一年分足してみると
ホームページは、作って終わりではありません。公開してからが本当のスタートで、文章を直したい、写真を差し替えたいという場面は必ずやってきます。
ところが、金額の安さだけで選ぶと、「公開後の修正は一回いくら」「保守は別料金」といった条件が、あとから見えてくることがあります。最初の金額は安くても、一年を通して見ると割高だった、ということもあります。
この段階で比べるのは、作る費用ではなく、公開したあとに続く費用と、その範囲です。
月々いくらで何をどこまで対応してもらえるのかを、契約前に文面で受け取っておいてください。そもそも保守として何をする作業なのかも、その文面の中で確かめられます。
いちばん良い会社と、いちばん合う会社
いちばん良い制作会社というものは、実は存在しません。あるのは、あなたの目的にいちばん合う会社です。ですから、他社の評判を集めるより先に、自分が何を大事にしたいかを決めておいたほうが、選ぶ作業は早く終わります。
5つの確認点も、どれが先に来るかは目的によって入れ替わります。この記事で扱ったのは比べる側の材料までで、順位づけまでは決めていません。どこが合うかを決めるのは、そのあとの作業になります。
金額そのものではない、進め方の取り決め
候補が2社か3社に絞れた段階から先は、同じ条件を伝えて見積書を取り、内訳の粒度を並べて見る作業に入ります。見積書を依頼する先の一つとしてお問い合わせを使っていただくこともできます。
そこを過ぎると、打ち合わせを何回もつのか、原稿と写真をどちらが用意するのか、公開の希望時期をどこに置くのかという、進め方の取り決めが順に決まっていきます。どれも金額そのものの話ではありませんが、決まらないまま制作が始まると、あとから金額の話に戻ってくる項目です。
FAQよくある質問
- Q制作会社は、料金が安いところを選んでも大丈夫でしょうか。
- A料金の安さだけで決めるのは、おすすめしません。公開後の保守が含まれていなかったり、修正の回数に上限が設けられていたりする場合があります。総額と、公開したあとまで含めた対応範囲の両方を並べて比べてください。
- Q大きな会社と小さな会社、どちらがよいのでしょうか。
- A規模の大小より、あなたの目的に合っているかどうかが先に来ます。相談のしやすさや小回りを重視するなら、担当者と直接やり取りできる体制かどうかを確かめてください。問い合わせたときの返信の丁寧さと速さが、一つの目安になります。
- Q相見積もりは取ったほうがよいですか。
- A2社から3社ほど並べてみるのは、よい方法だと思います。ただし金額だけを横に置くのではなく、提案の中身と、質問への答え方も一緒に見比べてください。同じ条件を全社に伝えておくと、金額の差がどこから出ているのかを読み取りやすくなります。ID-TECHSも見積もりは無料です。