COLUMN — 制作の基礎知識

DNS_PROBE_FINISHED_NXDOMAIN と出たら、疑うのはサーバーではなくドメインの契約のほうです

サイトが開かない。サーバー会社に聞くと正常だと言われ、制作会社に聞いても同じ答えが返ってくる。そこで手が止まった経験があるなら、見ていた場所が違ったのかもしれません。ブラウザに出るDNS_PROBE_FINISHED_NXDOMAINという一行は、原因ではなく症状の名前です。しかも有効期限が残っていても止まることがあって、止まるときはメールも一緒に止まります。

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サイトが開かなくなったとき、皆さんが最初に連絡するのはどこですか。

サーバー会社、と答えた方は正しいです。制作会社でも構いません。原因がそのどちらかにあることは、実際によくあります。

ただ、そのどちらに聞いても「こちらは正常です」と返ってくることがあるんです。

サーバーは正常です、と返ってきたところで手が止まります

データは消えていない。誰も何も触っていない。それでも開かない。

ここまで来ると、たいていの方は原因を探すのをやめて、しばらく待ってみようという判断に切り替えます。回線の一時的な不調だと思うからです。

待っても直りません。このとき見る場所は、サーバーでもサイトの中身でもなく、ドメインの契約のほうです。

ドメインというのは、アドレス欄に入っているあの文字列そのものの契約です。サーバーを借りる契約とは別に、毎年お金を払って持ち続けているもの。この契約が止まると、サーバーが何事もなく動いていても、サイトには誰もたどり着けなくなります。

あの英語、原因までは教えてくれません

DNS_PROBE_FINISHED_NXDOMAIN。開かないときにブラウザが出す一行です。

意味は「その名前の住所が見つからなかった」。それだけです。なぜ見つからないのかは、どこにも書いてありません。

だからこの文字列をそのまま検索しても、キャッシュを消しましょう、ルーターを再起動しましょう、という対処ばかりが並びます。見ている側の環境を直す話です。ドメインそのものが止まっている場合は、どれをやっても何も変わりません。

症状の名前を原因だと思って対処を探すと、この遠回りに入ります。サーバー側の障害でも同じで、2回目のアクセスだけ真っ白になるような症状は、画面を見ているだけでは原因にたどり着けません。

期限はまだ先なのに止まることがあります

先に言っておくと、ドメインを自分の会社で取って、更新も自分で見ている方は、ここから先を確認する必要はありません。すでに手元にある話です。

ドメインが止まる、と聞いて多くの方が思い浮かべるのは期限切れだと思います。更新を忘れた、と。

ところが、期限が残っていても止まります。

2026年9月15日に実際に見た例では、ドメインの状態がクライアントホールドという扱いになっていました。レジストラ、つまりドメインを取った会社の側で、名前解決を停めている状態です。有効期限のほうは翌年の春まで残ったまま。停まったのは前日の昼すぎでした。

期限は生きているのに、引けない。ここが分かりにくいところなんです。

この状態になる理由でよくあるのは、次のあたりです。

  • 登録者のメールアドレス宛に届く確認メールに、誰も応答していない
  • 更新の費用が、カードの期限切れなどで落ちていない

どちらも、通知そのものは届いています。届いた先で誰も開いていないだけです。

解除したあと実際に引けるようになるまでにどれくらいかかるかは、レジストラ側の反映を待つことになります。こちらで早めることはできません。

止まったのはサイトだけじゃありません

ここが、いちばん見落とされます。

ドメインが引けないというのは、そのドメインを使っている全部が引けないということです。サイトだけではありません。そのドメインで受けているメールも、同時に止まります。

問い合わせフォームからの通知も、取引先からの連絡も。送った側にはいずれ不達の通知が返るので、相手には届かなかったことが分かります。受け取る側だけは何も起きていないように見えます。静かなだけで、実際には全部落ちている。

受け取る話だけでは終わりません。メールを別のサービスから一斉送信している場合、送信そのものはいつもどおり動きます。配信サービスは自社のドメインとは別に動いているので、管理画面では送った扱いになる。ところが差出人のドメインが引けないので、受け取った側は送り主が存在しないものとして扱います。

差出人が本物かどうかを確かめる仕組みは、どれもそのドメインに問い合わせて確認します。ドメインが引けなければ、確認のしようがありません。迷惑メールに振り分けられる以前に、受け取りそのものを断られます。

まとめて送っていれば、その数だけエラーが返ります。配信サービスによっては、エラーの比率が上がった時点で送信を止める作りになっています。止まらなかったとしても、存在しないドメインから大量に送られたという記録は受信側に残ります。ドメインが戻ったあと、以前と同じようには届かなくなることがあります。

サイトが開かないことより、こちらのほうが痛い場面は多いです。開かないサイトは見た人が「今は見られない」と思うだけですが、届かなかったメールはそのまま返ってきません。

メールが届かない原因はほかにもあって、送信元の設定で潰せる範囲もあります。ただ、サイトも同時に開いていないなら、まずドメインを見たほうが早いです。

更新のお知らせは、いま誰に届いていますか

ドメインの通知は、登録したときに書いたメールアドレスに届きます。

何年も前に取ったドメインなら、その宛先は当時の担当者のアドレスかもしれません。もう辞めた人かもしれない。制作を頼んだ会社のアドレスで、その会社との取引はもう終わっているかもしれない。

サイトが止まる日は、通知が届かなくなった日ではありません。届いた通知を誰も開かないまま、しばらく経った日です。

次に社内の誰かが「サイトが落ちた」と言ってきたとき、サーバーの話をする前に聞けることが1つあります。ドメインはどこで取っていて、更新のお知らせはどこに届いていますか、と。それが即答できる会社は、この止まり方をしません。

答えられなかったら、今日のうちに調べておく価値があります。サイトが動いているうちにしかできない確認で、止まってからでは、そのドメインで受けているメールが使えないぶん手間が増えます。公開してからのほうが長いという話は、こういうところに出ます。

普段の保守の中で、契約の期限と通知先まで見ておく形も取れます。どこに何があるか分からなくなっている場合は、その棚卸しから相談してもらって構いません。

FAQよくある質問

Qサイトが開かないとき、ドメインが原因かどうかはどう見分けますか
Aサーバー会社と制作会社の両方が正常だと言っていて、それでも開かないなら、ドメインを疑う番です。手元の環境だけの問題かどうかは、スマホの回線など別のネットワークから開いてみると分かります。どこから見ても開かないなら、こちら側の環境の話ではありません。
Q有効期限が残っていても止まることがあるのはなぜですか
A期限とは別に、ドメインを取った会社の側で名前解決を停める扱いがあるからです。登録者のメールアドレス宛に届く確認メールへの未応答や、更新費用の決済が通っていない場合に起きます。期限の日付だけを見ていると、この止まり方には気づけません。
Q止まっている間、メールはどうなりますか
Aそのドメインで受けているメールは届きません。送った側にはいずれ不達の通知が返るので、相手には届かなかったことが分かります。受け取る側は何も起きていないように見えるので、気づくのが遅れます。別のサービスから一斉送信しているメールも、送った先でエラーになります。件数が多いと、配信を止められたり、ドメインが戻ったあとの届きやすさに影響が出たりします。
Qドメインの更新通知がどこに届いているか分からない場合はどうすればいいですか
Aドメインを取った会社の管理画面にログインすると、登録者の情報として設定されているアドレスが見られます。そこが今も読まれているアドレスかどうかを見ておくと、止まる前に気づけます。ログイン情報が分からない状態なら、それ自体が先に解いておく課題です。

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