会社の営業時間、電話番号、住所。この3つは、ページの本文とは扱いが違います。
本文なら、書いてある場所を直せば終わります。会社情報は、同じ内容が複数の場所に分かれて置かれていることがあり、そのうちのいくつかは画面に表示されません。
営業時間を9時開始から10時開始へ変える作業で、実際に直した場所を並べます。
営業時間が出ている場所
1つのサイトの中で、営業時間は4系統に分かれていました。
| 書かれている場所 | 何が読んでいるか | 直し忘れると |
|---|---|---|
| 設定ファイルの営業時間 | ヘッダー、フッター、会社概要、お問い合わせ、プライバシーポリシー | 画面の表示が古いまま |
| 同じ設定ファイルの短縮表記 | 問い合わせ導線のパーツ(英語表記) | その部分だけ古いまま |
| AI向けの案内ファイル | 生成AIや一部の検索サービス | AIが古い時間を答える |
| プログラム内の構造化データ | 検索エンジン | 表示は新しいのに検索結果は古い |
上の2つは、同じ設定ファイルの中にあります。1つ目を直しても、2つ目は別の項目なので変わりません。
設定を1か所直しても、変わらないもの
作業として重いのは4つ目です。
構造化データというのは、ページの内容を検索エンジンが読める形式で書き添えたものです。人が見る画面には出ません。ソースの中にだけ入っています。
このサイトでは、構造化データの中に営業時間の開始時刻が直接書き込まれていました。設定ファイルの値を参照するのではなく、9時という数字がそのまま2箇所に入っています。
つまり、設定ファイルをいくら直しても、構造化データの側は動きません。
名刺と封筒と地図に同じ住所を書いてあるとき、名刺だけ刷り直しても他の2つは古いままです。それと同じことが、1つのサイトの中で起きます。
表示は直り、検索結果には古い時間が残る
この状態が厄介なのは、確認しても気づけないところです。
サイトを開けば、営業時間は新しくなっています。ヘッダーもフッターも会社概要も、全部10時です。作業は終わったように見えます。
一方で、検索結果に出る営業時間は、構造化データを読んで表示されることがあります。そちらには9時が残っています。
地域名で検索される会社ほど、この差が実害になります。検索結果を見て9時に来られた方は、1時間待つことになります。
確認の方法があります。Googleが公開しているリッチリザルトテストに自社のURLを入れると、そのページから読み取れた構造化データが表示されます。そこに出ている営業時間、電話番号、住所を、現在の値と見比べてください。画面の表示ではなく、そちらを見ます。
変更を頼むときに添える一言
制作会社や社内の担当者に変更を依頼するとき、こう添えると確実です。表示だけでなく、構造化データ側も直してください。
この一言があると、作業する側は必ずソースを確認します。逆に「営業時間を10時に変更してください」だけだと、画面の表示を直して完了になることがあります。作業者に落ち度があるわけではなく、依頼の範囲がそう読めるからです。
変更したあとは、同じ設定を参照しているページを順に開いて確認する段になります。今回のサイトでは、ヘッダー、フッター、会社概要、お問い合わせ、プライバシーポリシーの5か所が同じ値を見ていました。それぞれのページで表示を確かめ、あわせて構造化データも見ます。
こうした更新のたびに確認する範囲をどこまで請け負うかは、保守の契約内容によって変わります。何が含まれているかは保守・運用がなぜ必要なのかに整理しました。
今回扱ったのは、サイトの中に置かれている情報だけです。外部のサービスに登録した会社情報は、サイトを直しても変わりません。そちらは別の手順になります。
FAQよくある質問
- Q構造化データが古いままかどうかは、どうすれば確認できますか。
- AGoogleが公開しているリッチリザルトテストに自社のURLを入れると、そのページから読み取れた内容が表示されます。営業時間、電話番号、住所が現在の値と一致しているかを見比べてください。画面の表示が正しくても、こちらが古いことがあります。
- Qなぜ表示と構造化データが別々になっているのですか。
- A構造化データは検索エンジンが読むためのもので、人が見る画面には出ません。設定ファイルの値を参照する作りにしておけば連動しますが、数字を直接書き込む形になっていると連動しません。今回のサイトは後者で、開始時刻が2箇所に直接書かれていました。
- Q営業時間以外にも同じことが起きますか。
- A電話番号と住所でも起きます。これらは会社情報としてまとめて構造化データに入っていることが多いため、どれかを変更するときは同じ場所を確認します。移転や電話番号の変更のときは、営業時間よりも影響が大きくなります。
- QAI向けの案内ファイルとは何ですか。
- A生成AIや一部の検索サービスに向けて、サイトの内容を要約して置いておくテキストファイルです。今回のサイトでは手書きで作られていて、自動生成の対象外になっていました。そのため、設定ファイルを直しても内容は変わらず、手で書き換える必要がありました。