SEO診断と呼ばれている作業の幅
SEO診断という言葉が指しているものは、頼む相手によって変わります。URLを入れると点数が返ってくる自動のツールも、担当者がページを一枚ずつ開いて報告書にまとめる作業も、同じ名前で呼ばれています。無料と書かれたものと、見積書が出てくるものが同じ言葉で並んでいるのは、そのためなんですね。
| 種類 | 見ているもの | 費用 |
|---|---|---|
| 自動の診断ツール | 機械で読み取れる項目。タイトルの有無、表示速度、エラーの件数など | 無料のものが多い |
| 制作会社やコンサルタントによる診断 | 上のものに加えて、書かれている内容と探している人の言葉が合っているか、サイト全体の構成 | 有料。範囲によって幅が大きい |
| 自分で確かめる | 検索結果での見え方、ページが検索エンジンに登録されているか、直せる箇所の洗い出し | 費用はかからない |
この記事が扱うのは三つ目です。外部からどれだけリンクされているかの評価や、競合サイトとの比較のように、有料のツールを契約しないと見えない部分には触れません。そこは自分の手元では確かめようがなく、確かめようとすれば別の費用がかかる領域です。
ただ、三つ目を先に済ませておくと、あとで診断を受け取ったときの読み方が変わります。並んでいる指摘のうち、どれが自分では気づけなかったもので、どれが既に分かっていたものなのか、区別がつくようになるからです。
検索結果に出ていない状態が混ざっていないか
順位が上がらないというご相談の中には、そもそも検索結果に出ていないページが混ざっていることがあります。出ていないページの順位を動かす作業はできませんから、確かめる順番としては、ここが先になります。
手早い方法は、検索窓に site: と自分のサイトのドメインを続けて入れることです。そのサイトのページがどれくらい出てくるかを、おおまかに眺められます。ここで数ページしか出てこないのに、実際には何十ページも公開している場合は、後の項目を直しても効きにくい状態にあります。
もう少し確かなことを知りたいときは、Google Search Console(グーグルが無料で出している、検索での見え方を確認するツール)を使います。ページのURLを入れて調べると、そのページが検索エンジンに登録されているか、登録されていないならどの段階で止まっているかが表示されます。この機能はURL検査ツールの説明に書かれています(2026年8月19日確認)。
登録されていないページが多いようであれば、文章に手を入れる前に、そのページへたどり着く道のほうを見ます。どこからもリンクされていないページや、サイトマップに載っていないページは、見つけてもらう手前で止まっていることになります。
ページ単位で見る持ち場と、サイト全体で見る持ち場
診断の項目は、ページを開けば分かるものと、サイト全体を通してしか分からないものに分かれます。前者は書き手が自分で直せるものが多く、後者は作った側に頼むことになる部分を含みます。
| 見る場所 | 確かめること | 手を入れるのは |
|---|---|---|
| ページのタイトル | 検索結果に出る一行として意味が通るか。同じ文言が複数のページで重なっていないか | 書き手 |
| 見出し | ページの中身の順番と食い違っていないか | 書き手 |
| 本文 | 探している人が使う言葉で書かれているか | 書き手 |
| ページ同士のリンク | 見てほしいページへ、どのページからもたどり着けるか | 制作側 |
| サイトマップ | 新しく足したページが載っているか | 制作側 |
| 表示速度 | 極端に遅いページが混ざっていないか | 制作側 |
この表の左側、タイトルと見出しと本文は、管理画面から書き換えられるサイトであれば、その日のうちに直せます。何をどう直すかは内部SEOの基本のほうに書きました。
ここで一度立ち止まったほうがよいのは、直す順番です。全部を並べて上から手を付けると、たいてい途中で止まります。まずは問い合わせにつながるページ、次にそこへ人を運んでいるページ、という順に絞ると、手が届く範囲に収まります。
一枚ずつ開いて見るのが大変であれば、機械で拾える範囲だけを先にまとめて出す方法もあります。このサイトにも無料のSEO診断ツールを置いていて、URLを入れると、タイトルや説明文、スマートフォンでの見え方、構造化データのあたりを一度に確認できます。ただし、そこに出てくるのは機械が読み取れる項目だけです。本文が探している人の言葉で書けているかどうかは、やはり自分の目で読んで決めることになります。
点数は、同じサイトを測り直しても動きます
表示速度の診断では、PageSpeed Insights のように0点から100点で結果が返ってくるツールがよく使われます。数字で出るので分かりやすいのですが、この点数は、同じページを続けて測り直しても同じにはなりません。測ったときの回線の状態や、その瞬間のサーバーの混み具合が、そのまま数字に乗ってきます。
わたしたちが自社のサイトで数分おきに測り直したときも、何も直していない時間帯に点数が二桁分下がっていきました。その記録は表示速度の点数が落ち続けた記録にそのまま残してあります。
点数は、その一回を測った記録です。良し悪しを決めるなら、同じ条件で何度か測って、出てきた数字の幅ごと眺めるほうが、実態に近くなります。
診断書に点数が並んでいるときも、その数字がいつ、どういう条件で測られたものかを合わせて見ておくと、あとで自分で測り直したときに慌てずに済みます。
診断では出るのに、書いた側では直せない項目
診断の結果には、記事や文章を書いている人の手からは離れた指摘も混ざります。代表的なものが、構造化データの記述です。ページの中身が何についてのものかを、検索エンジンに向けて別の形でも書いておく仕組みで、画面には出てこないため、壊れていても見ているだけでは気づけません。書き方をひとつ間違えるとその先が丸ごと読み取られなくなることがあり、実際にそういう状態を見つけた記録が構造化データが途中で切れていた例にあります。
サーバーの設定に由来する項目も同じです。常時暗号化に対応しているか、同じページが複数のURLで開けてしまわないか、サイトを作り直したときに以前のURLが新しいURLへ転送されているか。このあたりは管理画面からは触れず、契約しているサーバーや制作会社の側で直す領域になります。
ですから、診断の結果を受け取ったら、まず自分で直せる列と、頼まないと直せない列に仕分けるところから始めます。この記事で扱えるのはその仕分けまでで、後者を実際にどう直すかは、サイトの作りとサーバーによって手順が変わります。
診断結果を持って相談するなら
自分で見た結果を持って制作会社に相談するときは、指摘の一覧をそのまま渡すよりも、どのページを、誰に、何のために見てほしいのかを先に伝えるほうが話が早く進みます。診断項目は、その目的が決まってはじめて優先順位が付くものだからです。
その次に来るのは、直した結果を確かめる工程です。順位や表示回数は直した翌日には動きませんから、直した日付を控えておいて、しばらく経ってから同じ場所を見比べます。Search Console を入れていない状態であれば、この工程に入る前に登録を済ませておくことになります。
わたしたちは内部SEOをいちばんの得意分野にしていますので、手元で確かめた結果を持ってきていただければ、その先の話から始められます。お見積もりまでは無料ですから、直す範囲を決める前の段階でご相談いただいてかまいません。窓口はお問い合わせにあります。
FAQよくある質問
- QSEO診断は無料でできますか。
- A自分で確かめられる範囲であれば、費用はかかりません。検索結果に出ているかどうかはブラウザだけで見られますし、Google Search Console や PageSpeed Insights も無料で使えます。有料になるのは、外部からのリンクの評価や競合サイトとの比較、それらを報告書としてまとめる作業のほうです。
- Q診断ツールの点数は、何点あれば十分ですか。
- A点数だけで合否を決めないほうがよいと思います。同じページを続けて測っても数字は動きますので、一回の結果を成績表のように扱うと判断を誤ります。測った日と条件を控えておいて、手を入れる前と後で見比べるほうが、実際の変化をつかめます。
- Q診断で指摘された項目は、すべて直す必要がありますか。
- Aすべてを直さなければならないものではありません。指摘には、自分の管理画面から直せるものと、サーバーやサイトの作りに関わるものが混ざっています。見てほしいページと目的を決めてから、そこに関係する項目に絞ると、手が届く範囲に収まります。
- Q自分で確かめてから相談したほうがよいですか。
- A先に見ておくと、相談の中身が具体的になります。どのページが検索結果に出ていないか、どこを直したくても直せなかったかが分かっていれば、そこから話を始められます。何も見ていない状態でも相談はできますが、現状の把握からになる分、やり取りは長くなります。