COLUMN — SEO

「Z世代はググらない」の67%は、地元の店を調べる場面の数字でした

Instagram 67%、TikTok 62%、Google検索 61%。この並びの出どころは米国の消費者調査で、設問は「過去30日間に地元の店舗の情報を調べるのに使ったもの」を、あてはまるだけ選ぶ形式でした。数字そのものは正確です。設問文まで戻すと、この三つが同じ人のなかで同居していたことが分かります。

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数字が測っていた範囲

引用されているのは、米国のマーケティング支援会社SOCiが2024年版として公開した消費者調査「2024 Consumer Behavior Index」の数字です。2023年12月に、米国在住の18歳以上1,002人へたずねた結果がまとめられています。

開いておきたいのは、実際の設問文のほうです。

「過去30日間に、地元の店舗や企業の情報を調べるために使ったスマートフォンのアプリやサイトはどれですか」

選択肢ごとの回答率を全年代で合計すると100%を大きく超えるので、あてはまるものをいくつでも選べる形式だと分かります。つまり67%が指しているのは、地元の店を調べる場面に限った、しかもこの1か月に一度でも使ったかどうかという利用経験の割合です。よく使うか、好んで使うかを聞いた数字ではないんですね。

この記事で扱うのは、引用されている数字が実際には何を測っていたのかと、そのうえで自社の名前が検索されたときに何が出ているかを見る手順までです。SNSアカウントの運用方法そのものは含めていません。

年代を広げると入れ替わる並び

いくつでも選べる形式である以上、67%と61%は取り合いの関係ではありません。同じ人がInstagramもGoogle検索も選んでいる場合があります。

地元の店舗・企業を調べるのに使ったもの 18〜24歳 全年代
Instagram 67% 33%
TikTok 62% 27%
Google検索 61% 72%
Googleマップ 39% 51%

ふたつのことが同時に言えます。18〜24歳に絞れば、地元の店を調べる入口としてInstagramがGoogle検索を上回っている。ここは数字のとおりです。

そして同じ層の61%がGoogle検索も挙げていて、全年代まで広げるとGoogle検索が72%で最も多くなります。どちらか一方が正しいのではなく、いくつでも選べる形式なので両方が起きています。

同じ報告書には、回答者全体の64%が「地元の店を調べるなら検索エンジンを使いたい」と答えた、という記述も載っています。調査を公開した側は、検索が依然としてローカル情報の主要な入口だという立場で書いているわけです。

なお、回答者は全員が米国在住です。日本のZ世代の行動として、そのまま読み替えることはできません。

「タグる」を扱ったレポートに書かれていること

「ググるよりタグる」という言い方の出どころとしてよく名前が挙がるのが、ニッセイ基礎研究所が2020年11月に公開した「ググる」より「タグる」?-Z世代の情報処理に関する試論的考察というレポートです。

その第5章にあるのは、Z世代においては検索内容によっては「ググる」よりも「タグる」ことが先行される、という一文です。検索内容によっては、という条件が付いていて、先行する、つまり順番が先だと書かれています。検索エンジンを使わなくなる、という説明ではありません。

同じレポートには、SNSでの検索は詳細を調べるのには適さないため、そこで得た情報をもとに検索エンジンへ移る、という趣旨の記述もあります。

ただし、このレポートが土台にしているのは聞き取りです。末尾に著者自身の断りが置かれています。

本レポートは、主に若者のスマホの使用方法のヒアリング調査を基に考察した。すべての若者がこのようなプロセスの情報処理をしているとは言わないが、Z世代の情報処理に関する一側面として読んでいただけたら幸いである。

主題の末尾に疑問符が置かれ、副題に試論的考察と付けられているのは、そのためだと読めます。

この章は、「日本のInstagramユーザーのハッシュタグ検索回数は、グローバル平均の3倍にも上るという調査も存在する」という一文から始まっています。同じ数字は、Instagramが2019年6月に出した「国内月間アクティブアカウント数が3300万を突破」という発表にもあり、そちらには2018年5月という時点が添えられています。8年前の値が、そのままの形で引き継がれているわけです。

SNSで見た人が、全員検索に来るわけではありません

移る人がどのくらいいるのかは、別の調査から少しだけ見えます。ファストマーケティングが2025年1月に行った調査は、SNSで気になった商品について次にどう調べるかをたずねたものです。回答した360人は15〜29歳の男女ですが、事前調査で「SNSで情報収集をする」と答えた人だけを集めた360人です。もともとSNS寄りの人たちに聞いている、という条件が付きます。

その調査では、SNSで気になった商品について次にどう調べるかという問いの1位が「さらにSNSで調べる」で約7割、「サーチエンジン」を挙げた人は3割強でした。対象はファッションとコスメの商品です。

ただし、この2つを足すとほぼ100%になります。1位という書き方からして選択肢はほかにもあるはずで、そうなると両方を選んだ人が含まれていることになります。この数字から「SNSの中で完結する人が多数派だ」とまでは言えません。読み取れるのは、次の一手としてSNSの中での検索を挙げた人のほうが多かった、というところまでです。

受け皿を整えたことで問い合わせが増えた、という因果を示した調査は、この記事の範囲には入れていません。ここで書けるのは、確かめられる場所がどこにあるか、までです。

検索窓に自社の名前を入れて一画面目を見る

次の一手としてSNSの中での検索を挙げた人が多いという結果と、SNSで得た情報をもとに検索エンジンへ移るというレポートの記述は、両立します。全員ではないけれども移る人はいて、その人が会社名を入れたときに何が出るかは、ログインの要らない範囲で、いま自分の手で確認できます。

会社名、店名、サービス名を検索窓に入れて、一画面目を見ます。自社サイトが出ているか、出ているとしてトップページか下層ページか。求人媒体や地図の情報が先に立っていないか。表示されている営業時間や電話番号が、いまの内容と合っているか。

ここで自社サイトがまったく出てこない場合は、順位が低いのではなく、検索エンジンにページが登録されていない可能性があります。その切り分けは検索しても自社サイトが出てこないときに分けて書きました。

出ている場合に次へ進む先は、そこに並んでいる文言のほうになります。青い見出しと下の説明文が何から作られているかは、タイトルと説明文の決まり方で扱いました。

そこで古い営業時間や電話番号が見つかったときは、直す場所が1か所とは限りません。画面に出ている文字と、検索エンジンが読むデータが別々に置かれていることがあり、片方を直しても、もう片方には古い値が残ります。営業時間を1時間ずらすと、直す場所は4つありますに、実際に4か所へ分かれていた例を書きました。

FAQよくある質問

QZ世代はもうGoogleを使っていないのですか。
A引用元の調査では、18〜24歳の61%がGoogle検索を挙げています。あてはまるものをいくつでも選ぶ形式なので、InstagramとGoogle検索の両方を選んだ人が含まれます。同じ調査を全年代に広げると、Google検索が72%で最も多くなります。
Q「タグる」は、検索エンジンを使わないという意味ですか。
Aこの語を扱ったニッセイ基礎研究所のレポートには、検索内容によってはSNSでの検索が先行する、と書かれています。あわせて、SNSで得た情報をもとに検索エンジンへ移るという記述もあり、使わなくなるという説明ではありません。
Q自社が検索でどう見えているかは、どうやって確かめますか。
A会社名・店名・サービス名を検索窓に入れて、一画面目に何が並ぶかを見ます。自社サイトが出ている位置と、表示されている営業時間や電話番号がいまの内容と合っているかを確認します。ログインの要らない範囲で、誰でもその場で確かめられます。

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